「登山に行きたいけど、雨予報…どうしよう?」 「雨の日の登山って、どんな装備が必要なの?」
そう思ったこと、ありませんか? 天候が変わりやすい山では、たとえ晴れ予報でも、急な雨に降られることは珍しくありません。そんな時、適切な雨対策装備があるかないかで、登山の快適さはもちろん、安全性も大きく変わってきます。
今回は、私のこれまでの登山経験から、登山・ハイキングにおける雨対策に必須の装備と、あると便利なグッズを徹底解説します。レインウェアや防水登山靴といった基本から、レインキャップやレイングローブといった細かなアイテムまで、具体的な選び方や使い方のポイントをご紹介。
この記事を読めば、雨の日も安心して登山を楽しめるようになるはず!ぜひ、万全の準備をして、どんな天気でも山を楽しんでくださいね!


なぜ雨対策が重要なのか?
「ちょっと濡れるくらい大丈夫でしょ?」と思うかもしれませんが、登山における雨は単に不快なだけでなく、命に関わるリスクにもつながります。
- 体温低下(低体温症): ウェアが濡れると体の熱が奪われやすくなり、低体温症のリスクが高まります。特に標高の高い山では、夏でも低体温症になる可能性があります。
- 滑落・転倒のリスク増: 濡れた岩や木の根は滑りやすく、視界も悪くなるため、転倒や滑落のリスクが高まります。
- 行動不能: 濡れた装備は重くなり、動きを妨げます。また、寒さや不快感から行動意欲が低下し、計画通りの行動ができなくなることも。
- 不快感: 言うまでもなく、雨で濡れるのは不快です。せっかくの登山が台無しになってしまうことも。
【必須装備】登山・ハイキングの基本の雨対策アイテム
まずは、どんな雨の日の登山でも必ず持参してほしい、基本の雨対策アイテムをご紹介します。
1. レインウェア(上下セパレートタイプ)
重要度: ★★★★★
雨対策の要となるのが、登山用レインウェアです。登山では動きやすさや防風性を考慮し、上下が分かれたセパレートタイプを選びましょう。ポンチョだと風で煽られてしまうので、おすすめできません。- 素材: ゴアテックス(GORE-TEX)に代表される、防水透湿性に優れた素材を選びましょう。雨を通さず、ウェア内の蒸れは外に逃がしてくれるため、快適さを保てます。
- 機能:
- 耐水圧・透湿性: 数値が高いほど高性能
- フード: 顔や頭部をしっかり覆え、視界を遮らないデザインかを確認。またヘルメット対応のものもあり。
- ベンチレーション: 脇の下や太ももなどにファスナーがあり、換気できると蒸れ対策に有効
- 耐久性: 岩や枝などに擦れても破れにくい、丈夫なものを
私の実体験:
白馬三山を縦走した際、稜線で激しい雨と風に見舞われました。私はゴアテックス製のレインウェアで快適に歩き続けられましたが、友人の安価なレインウェアは中までびしょ濡れになり、寒さで震えていました。この経験から、高性能なレインウェアの重要性を痛感しました。
※レインウェアの性能は、登山の場所や季節、個人の予算やスタイルによって最適なものが異なります。低山での軽いハイキングであれば、そこまで高価なゴアテックス製でなくても十分な場合もあります。ご自身の登山スタイルに合わせて、最適なものを選んでくださいね。
2. 防水性の登山靴
- 重要度: ★★★★★
足元が濡れると、不快なだけでなく、マメができたり、低体温症につながることも。靴下まで濡れてしまうと、一気に快適性が失われます。- 素材: ゴアテックスなどの防水透湿素材がインサートされているものがほとんどです。
- 手入れ: 使用後は泥を落とし、防水スプレーなどで定期的にメンテナンスすることで、防水性を長持ちさせることができます!
- 私の実体験:
秋の常念岳(一ノ沢ルート)を1泊2日で縦走した際、初日が雨でした。水たまりやぬかるみが多い道でしたが、ゴアテックス製の防水登山靴のおかげで、靴下は全く濡れずに快適に歩き続けられました。もし濡れていたら、気温が下がる秋の山で、低体温症の危険もあったと考えると、その重要性を痛感した経験です。
3. 防水性のザックカバー
- 重要度: ★★★★★
ザックの中身が濡れてしまうと、着替えがなくなったり、食料がダメになったりと大変です。ザックのサイズに合った防水性のザックカバーは必須です。- 注意点: ザックカバーだけでは、背中とザックの隙間から水が入り込んだり、カバー表面を伝った水がファスナー部分から侵入することもあります。念のため、ザックの中の衣類や電子機器は、さらに防水スタッフバッグやビニール袋に入れておくと安心です。
【あると格段に快適!】雨対策便利グッズ
基本装備に加えて、これらのアイテムがあると雨の日の登山が格段に快適になります。
1. レインキャップ・防水ハット
- 重要度: ★★★☆☆
レインウェアのフードだけでは、横からの雨や風で顔が濡れたり、視界が遮られたりすることがあります。ツバ付きの防水キャップやハットをかぶることで、顔に雨がかかるのを防ぎ、視界を確保できます。- 素材: レインウェアと同じく、防水透湿素材のものがおすすめです。
- 私の実体験:
アルプスの岩場や稜線では、レインキャップの有無で快適さが大違いです。風が強いとフードだけでは視界が悪くなり、雨が目に入ってきます。足元や周囲をしっかり見るためにも、レインキャップは便利。視界不良は遭難リスクにも繋がるため、その重要性を痛感しています。
2. レイングローブ(防水手袋)
- 重要度: ★★★★☆
手が濡れて冷たくなると、行動がしにくくなったり、低体温症のリスクにもつながります。防水性のグローブがあると、濡れるのを防ぎ、手の冷えを防いでくれます。- 種類: 薄手のインナーグローブの上に防水アウターグローブを重ねるレイヤリングもおすすめです。冬の低山でも使えますね。
3. 防水スタッフバッグ・ジップロック
- 重要度: ★★★★★
ザックカバーだけでは不安な、濡らしたくないもの(着替え、寝袋、電子機器、地図など)は、個別に防水スタッフバッグや厚手のジップロックに入れておきましょう。- 選び方: サイズや容量のバリエーションが豊富なので、用途に合わせて選びます。圧縮できるモデルやシームテープが施されてるモデルなど、いろいろあります。
4. ゲイター(スパッツ)
- 重要度: ★★★☆☆
登山靴とズボンの隙間から雨や泥、小石が入るのを防ぐためのアイテムです。特にレインパンツの長さが短いと、足上げした時に登山靴に雨が入るので注意。- 注意点: 防水性のあるものを選びましょう。
5. 防水スプレー(事前準備)
- 重要度: ★★★☆☆
レインウェアや登山靴の防水性を維持するためには、定期的なメンテナンスが不可欠です。出発前に防水スプレーをかけておくと、撥水性が向上し、汚れもつきにくくなります。
6. 折りたたみ傘
- 重要度: ★★☆☆☆
歩きやすいハイキング道では、結局は傘が便利。林道歩きやバス待ちでも意外と使えるんです。でも、周りへの配慮は忘れずに。
雨の日も快適に過ごすためのコツ
- 出発前の情報収集: 天気予報はもちろん、現地のリアルタイム情報(SNSや山小屋ブログ、ヤマレコなど)で、具体的な道の状況(ぬかるみ、増水など)を確認しましょう。
- 早めのレインウェア着用: 初めのうちは「降りそうだな」と思ったらすぐに着るのがオススメ。体が冷える前に着用することで、快適さを保てます。
- 休憩場所の工夫: 雨の中での休憩は体が冷えやすいので、軒下や岩陰など、できるだけ雨風を避けられる場所を選びましょう。
- 着替え:山小屋やテント場に到着した時、車やバスに乗り込む前、速乾性の衣類に着替える準備をしておくと、体が冷え切るのを防げます。


雨の日の登山は、晴れの日には見られない幻想的な景色に出会えることもあります。しかし、そのためには適切な雨対策装備が不可欠です。
レインウェアや防水登山靴といった基本装備はもちろん、レインキャップやレイングローブ、防水スタッフバッグなどの便利グッズも活用して、どんな天気でも快適に、そして安全に登山を楽しんでくださいね!
備えあれば憂いなし。この記事が、あなたの雨の日の登山をより豊かなものにする一助となれば嬉しいです。